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◆在パラオ特命全権大使よりご挨拶

 皆様、こんにちは。昨年9月の着任以来、8ヶ月経過しました。その間、日本にとってのパラオの重要性をますます強く感じています。

 2014年は、パラオにとっても、日本・パラオ関係にとっても節目の年であると言えます。7月29~31日、第45回PIF(Pacific Islands Forum)総会がパラオで開催され、8月1日に開かれる域外国対話(日、米、中国等の代表が出席し島嶼国首脳と意見交換を行う)には我が国からも代表が出席する予定です。パラオは1994年10月1日に独立し、日本は同年11月2日にパラオとの間で国交を樹立しました。従って、今年はパラオ独立20周年、日本・パラオ国交樹立20周年です。10月1日に開催予定の独立20周年記念式典には日本からも代表が出席することになると思います。また、1944年11月にペリリュー島における日米両軍の戦闘が終結したので、今年はパラオにとって終戦70周年の年ともなっています。時期は未定ですが、そのための記念行事も実施されると聞いています。

 PIF会合には関係国の首脳を始め400人以上の代表団等が出席すると言われており、パラオ政府はその準備作業を開始しています。開催時期は夏の旅行シーズンに重なり、例年以上に賑やかなパラオとなるでしょう。

 パラオ特にペリリュー島は、太平洋戦争時の激戦地として知られ、同島で約1万人、パラオ全体で約1万6千人の日本人戦没者が出ました。未だ7千柱以上の遺骨が未収容で、収容作業を促進していかなければなりません。また、不発弾の処理について、日本としても引き続き積極的に取り組んでいく必要があります。

 我が国ODAに対するパラオの評価は高く、期待も大きなものがあります。国交樹立前から我が国の無償資金協力が開始され、その供与件数は23件(約200億円)となっており、専門家の派遣・研修生の受け入れ等の技術協力も約57億円に上っています。本年4月にはアイメリーク発電所が完成し、5MWの発電機2基が動き始めました。また、パラオ側より要請のあったコロール・アイライ両州を対象とした上水道改善計画に対する調査も近く始まる予定です。昨年11月の台風「ハイヤン」によって被害を受けたカヤンゲルの小学校なども今年完成する予定で、これらのプロジェクトは日本・パラオ国交樹立20周年と結びついて人々に記憶されることになるでしょう。

 2014年は、現在、良好な日本・パラオ関係をさらに発展させる好機であり、日本、パラオのハイレベルの往来・会談を通じて、より強固な関係が築かれることを期待します。

 2014年5月
在パラオ日本国大使
田尻 和宏